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送り仮名の付け方

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【送り仮名の付け方】

「送り仮名の付け方」とは

現在一般的に使用される送り仮名の基準は、S.48年内閣告示の「送り仮名の付け方」にあります。
S.56の「常用漢字表」告示に伴って一部改定され、「常用漢字表」を使用する際の送り仮名についてのよりどころを示しています。
「送り仮名の付け方」は7つの「通則」からなり、その概要は、通則1・2が“単独の語で活用のあるもの”、通則3・4・5が“単独の語で活用のないもの”、通則6・7が“複合の語”という分類で、約500語の語例を挙げてまとめられています。
各通則には、「本則」の他、必要に応じて「例外」「許容」が設けられています。

送り仮名の原則

各通則が色々な基準を示していますが、例外も多く、概してわかりやすくはありません。
強いてまとめると、根底にある主要な原則は以下となります。
①活用語尾を送る
②派生語・複合語では、送り仮名は元の語に準ずる
③名詞化で送り仮名は省かれる
順に説明します。

①活用語尾を送る

動詞・形容詞などの用言は、文中での他の単語との関係等によって変化します。
その際に形の変わらない部分が語幹であり、変わる部分が活用語尾。
どの部分が語幹になるかを知るには、元になる単語を活用させてみればいいでしょう。
例えば「動く」という動詞。
ウゴかない・ウゴこう-ウゴきます・ウゴいた-ウゴく-ウゴくとき-ウゴけば-ウゴけ
といった具合で「ウゴ」の部分は変わらないので語幹。それ以外が活用語尾ということになります。
送り仮名の原則から、語幹は漢字、活用語尾は仮名となるので、動かない・動こう……と表記します。
ただし、動詞は比較的原則通りのものが多いが、その他の品詞には他のルールも適用されます。

*形容詞で「しい」で終わるものは、送り仮名を「し」で始める。ex) 美しい
*形容動詞で「か」「やか」「らか」で終わるものは、送り仮名を「か」「やか」「らか」で始める。ex) 静かだ/穏やかだ/清らかだ
*副詞・連体詞・接続詞は最後の音節を送り仮名にする。ex) 必ず/概ね

これらは活用語尾を送るという原則に外れる「例外」として記されています。
また、この例外に対する例外もあります。

②派生語・複合語では、送り仮名は元の語に準ずる

これも①の原則の例外とも言えます。
例えば「動かす」という動詞。
ウゴカさない-ウゴカします…と活用し、活用語尾から言えば「動す」となる気がしますが、「動く」に準じて「動かす」となるのです。
複合語は、2つ以上の単語が結びつきで形成された語。
「申し込む」の場合、活用語尾から考えると、「申込む」になりそうなものですが、「申す」「込む」に準じて「申し込む」が正しい表記となります。
ただしこれに関しても、誤読のおそれがない場合は送り仮名を省いてよいとされ、実際は「申込む」でも構いません。
これは「許容」の1つとして記されています。

逆の例もあります。
「おこなう」は原則からすると「行う」ですが、これを過去形にすると「行った(おこなった)」となり、「行った(いった)」との区別がつかない。
従って、本則はあくまでも「行う」としながらも、「行なう」と表記してもいいと「許容」に記されています。
「すくない」は、原則では「少い」となるはずですが、これを否定形にすると「少くない」となり、これ自体が「すくない」と読まれる可能性があるため、「少ない」と表記します。

③名詞化で送り仮名は省かれる

動詞が元となる名詞の場合も、原則的には元の動詞の送り仮名に準じた表記となります。
しかし中には、同じ言葉でも、動詞として使う時には送り仮名を送り、名詞として使う時には送らない場合があります。
元の動詞としての意味合いが薄れるほど、慣用化されるほど、送り仮名は省略される傾向にあります。
先の「申し込む」の名詞形も、「申し込み」が本来の形ですが、「申込み」「申込」が一般的に使われています。
「受取(受取り)」「取扱い(取扱)」なども同様。
「書留」「小包」「日付」「献立」その他、慣用が固定されているものに関しては、‘慣用に従って送り仮名を付けない’と通則に記されています。

「送り仮名の付け方」背景

「送り仮名の付け方」の背景には、1つの漢字に負担させる訓読みをできるだけ少なくし、かつ誤読を防止したいという意図があります。
一定の原則を立てようとすると、慣用に反するもの、誤読のおそれのあるものが出てくる。
そのため、慣例を尊重しつつも一定の基準を設けるという、多少苦しい姿勢での制定となっています。
そのような背景もあり、「常用漢字表」と比べると、「送り仮名の付け方」はルールとしてはやや曖昧。
「例外」「許容」を項目として挙げ、複数表記を多々認めています。
とはいえ、多くは原則に当てはまりますので、迷った時は原則に立ち返るといいでしょう。

※多くの国語辞典は、付録に「国語表記の基準」を掲載しています。ご参照ください。
(参考:http://www.bunka.go.jp/kokugo/…文化庁国語施策情報システム→内閣告示・内閣訓令→送り仮名の付け方)


Last Update 2010-06-03 (木) 12:46:38

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