盲ろう者とは目と耳両方に障害のある人のことをいいます。
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点訳入門(4)

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いよいよ点字の筆記ルールの話です。

点字のルール

点字は基本的に表音文字。1つの文字が1つの音を表しています。
したがって点字の文章は、平仮名だけで書かれた文章のようなものです。
想像すると、あまり読みやすそうな気はしないですね。
しかも点字の場合、1つ点の位置が違うだけで全く違う文字になってしまうため、読み間違える危険性は墨字に比べて高くなります。(※点字に対し、普通に書かれた文字を墨字と言います)
そのような点字の文章を如何に読みやすく表すか、如何に正確に意味を伝えるか、と工夫した結果、構築されたのが点字の筆記ルールです。
筆記ルールは細かく色々定められていますが、何と言っても代表的なのが「分かち書き」です。

分かち書きとは

分かち書きとは文字通り、‘分けて書く’ということです。
点字の場合では、間に空白を1マス挟む書き方ということになります。
この分かち書きこそが点訳作業の基幹です。
ただ区切るだけの作業なのですが、細かいルールが色々とあり、点訳の技術力が問われる部分です。迷いなく分けられるようになるためには、かなりの経験が必要です。
ここでは、最も基本的な分かち書きの原則を2つ紹介します。
1つは「文節分かち書き」。文節で区切って書いていく方法です。最も基本的な筆記ルールで、これを抜きに点字の文章は書けません。
もう1つは「切れ続き」。これは「文節分かち書き」の例外です。長い言葉は、文節の途中でも区切るというルールです。

分かち書きの原則① 「文節分かち書き」

点字の文章は基本的に、文節の切れ目で1マス空けて書きます。
文節とは、“最も小さい意味のまとまり”などと説明されます。“1つの自立語と、その後に続く付属語とで構成される語群”と言うこともできます。
感覚的には、国語の授業で習ったように、文章を読んで「ネ」「サ」等を入れられる部分が文節の切れ目、という判別方法がわかりやすいかもしれません。
例を見てみましょう。
①『今日は学校へ行って点字の勉強をしようと思う。』という文章があったとします。
これを文節の切れ目で分けます。
「ネ」を入れてみると、『今日はネ 学校へネ 行ってネ 点字のネ 勉強をネ しようとネ 思うネ。』
と入れられるので、そこで区切って書くと、
②『今日は 学校へ 行って 点字の 勉強を しようと 思う。』となります。
これが分かち書きです。
あとは、これを仮名に直して点字に置き換えるだけです。素直に仮名に直すと、
③『きょうは がっこうへ いって てんじの べんきょうを しようと おもう。』となるわけですが、実は正解は、
④『きょーわ がっこーえ いって てんじの べんきょーを しよーと おもう。』となります。

おや?と思ったでしょうか。
まだ言っていないことが色々でてきました。次回補足します。


Last Update 2010-06-03 (木) 12:31:54

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