盲ろう者とは目と耳両方に障害のある人のことをいいます。
富山盲ろう者友の会では、盲ろう者とその支援者の交流・支援活動を行っています。

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点訳入門(8)

本文開始


前置点、前置符の続きです。
前回述べたとおり、前置点、前置符は次にくる文字の系列を示すための記号であり、それ自身には読みはありません。
前回は、日本語表記における濁音、半濁音、拗音、拗濁音、拗半濁音について、簡単に紹介しました。
あとは、特殊音を紹介すれば日本語表記は一通り網羅することになるわけですが、特殊音は変則的で覚えにくいので、またの機会に。ちなみに、特殊音とは、チェ、チュなどです。
今回は、数字の表記を紹介します。

数字 ―「数符」

墨点字「数符」

まずは、数字の表記から見ていきます。
数字の1から10は、仮名のアイウルラエレリオロに対応しています。つまり、数字の点字はア行とラ行と同じく、点字の上4つの点、①②④⑤の点で表します。1つ点を間違えると全く違う数字になるので注意が必要です。仮名と違って前後のつながりから誤植に気づくこともありませんので、慎重な処理が要されるところです。
墨点字「1~10」

連続する数字の表記

濁音や拗音の際に用いた前置点は、前置点+仮名の2マスが対になっていましたが、数字の場合は少し法則が違います。
連続する数字の表記の場合、数字1文字ずつに数符をつける必要はありません。
主なルールを2つ紹介します。
①4桁までの数字は続けて書く
数詞のあとにそのまま数字を続けて書きます。
(例)“2007”であれば、「数符 2007」と表記します。  墨点字「2007年」
②5桁以上の数字は「まん(万)」「おく(億)」などを使って書く
一般の文章の中では、長い数字を続けて書くと読みづらいため、「まん(万)」「おく(億)」等、位を示す仮名を用います。位表記の後、1マス空けてから数符・数字を続けて書きます。
(例)“30,500”であれば、「数符 3マン 数符 500」となります。
墨点字「3万500」
ただし、6桁以内の数字は必要に応じて、位取り点(③の点)を使って表記することもできます。位取り点を使うと、先ほどの例は「数符 30位取り点500」となります。

第1つなぎ符

第1つなぎ符

通例、文章中の数字の後には助詞や助数詞が続きます。基本的に、助詞や助数詞は、数字の後にそのまま続けます。数字の前には数符が必要ですが、数字に続く仮名の前に‘仮名に戻ります’という合図は要らないということです。ただし、数字につづく仮名がア行、ラ行の場合は違う処理が必要です。
この場合は、間に「第1つなぎ符」(③⑥の点)をはさみます。ア行とラ行の仮名は数字と同形なので、混在すると区別がつかなくなってしまうためです。
“2007年”はそのまま「数符2007ネン」ですが、“2007円”になると[円]がア行なので、第1つなぎ符をはさんで「数符2007第1つなぎ符エン」となります。
墨点字「2007年」  墨点字「2007円」

第1つなぎ符を挿入する助数詞には、円(エン)、列(レツ)、位(イ)、リットルなどがあります。


Last Update 2010-06-03 (木) 12:32:49

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