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要約筆記実践9 列挙された並列情報の処理

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要約筆記実践9 列挙された並列情報の処理

以前、要約筆記では人の感覚特性を利用し、読み手の常識や知識を利用して筆記を行うという話をしました。(→要約筆記技術11 読み手の常識・知識を利用した省略の技術
今回紹介するのは、その実践パターンの一つです。

複数の並列情報が列挙された場合、要約筆記での処理には主に2つの手法があります。

  • 1.列挙された情報の集団を端的に表す言葉に置き換える。(集約法)
  • 2.1個ないしは数個の情報をピックアップして「等」でくくる。(抽出法)

例えば、以下の文章を要約筆記する場合。
「天気が良かったので、セーター、マフラー、毛糸の帽子と手袋を洗濯しました。」
この後半部分を、2つのパターンで見てみます。

  • 1.冬物を洗濯した。
  • 2.セーター等を洗濯した。

どうでしょう。
相変わらず詰まらない例文ですが、イメージできますでしょうか。
実際の筆記では「洗濯」をそのまま漢字で書くことは無い等、色々留意点はありますが、今はパターンの説明をしたいだけなので、それには触れません。
上の例では「等」を使いましたが、人名の場合には「達」でくくることもあります。
他にも「類」「系」「方(がた)」。
「等」を仮名表記にして「など」「とう」「ら」。
そして、これらの代替としての「…」。
パターンは色々ですが、考え方は同じです。
(これらの場合も表記の工夫は必須ですが、ここでは触れません。)

2つの手法、どちらも要約筆記の常套技術であり、状況によって使い分けます。
ただ、文書要約等と比較すると、要約筆記では2の手法(抽出法)が好まれる傾向があります。
情報保障としての特性ゆえと言えるでしょう。
では、抽出法の場合、どういう基準で情報をピックアップすれば良いでしょうか。
ここに、人の感覚特性の利用という話が絡んできます。
幾つかの考え方を見ていきます。


Last Update 2010-06-03 (木) 12:28:07

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