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要約筆記技術1 “要約”するのが要約筆記なのか

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要約筆記技術1 “要約”するのが要約筆記なのか

今更ですが改めて、要約筆記とは何か?というところから。
近年定着している要約筆記の定義は、大体以下のような感じです。
1.聴覚障害者の情報保障ツールであり
2.話の内容を要約し
3.文字で伝える

説明としては概ね妥当だと思います。
が、2.に関しては少し注釈を加えたいと思います。
“話の内容を要約する”という要素。
敢えて言います。
“要約”は、確かに要約筆記技術の重要な要素ではありますが、要約筆記の本質ではないでしょう。
「要約筆記」という名前も悪いと思うのですが、要約筆記者でも“要約”をすることが要約筆記だと理解していることが多いです。
誤解だとまでは言いませんが、半解ではないかと思います。
多少補足しますが、要約筆記の一つの利用法として、要約に重点を置く手法は有効です。
その場合は存分に“要約”すればいい。
しかし、前提条件のない要約筆記の定義の上で“要約”を主軸とするのは些か微妙。
これは“要約”という言葉の解釈にもよるのですが、少なくとも大意要約に主眼を置いて要約筆記技術を解釈してしまうと、情報保障の本質と矛盾する部分が出てきてしまうでしょう。
要約筆記では要約をしないと言っているわけではありません。
作業の実際というよりは、あくまでも技術理論として言ってます。

ならば要約筆記とは何か。
目下のところ私は「情報保障を目的として音情報を視覚情報化する同時通訳技術」と解釈しています。
更に狭義には「音声情報の文字化」。
そして技術的には、「要約」というよりは「圧縮」が、要約筆記技術の本質に近いのではないかと考えています。
情報の圧縮。
もちろん原理は違うのですが、要約筆記の技術には、画像や動画のデータ圧縮と通ずる部分があります。


Last Update 2010-06-03 (木) 11:34:19

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