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要約筆記技術8 情報保障が成り立つ筆記速度の目安

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要約筆記技術8 情報保障が成り立つ筆記速度の目安

先の記事で、アウトプット量の概数を提示しました。
その数字には当然、個人差があります。
手書きならば、書くのが速い人、遅い人。
パソコンの場合は、キーを打つ速さに加え、漢字変換の要領が数字に影響します。
要約筆記をする際には、各自のアウトプット量の把握が必要です。
必ずしも数値で認識する必要はないですが、自分がどのぐらいの時間でどのぐらい書けるかという量関係を知らない状態では、適切な判断は出来ないと、これは断言します。
要約筆記技術の根幹に関わる要素と言えます。
把握することが肝心なので、その量の多い少ないは、ここでは関係ありません。
アウトプット量は多ければ多いに越したことはないですが、少ないなら少ないなりの書き方をすればいいだけのこと。
書くのが遅いとか、入力が遅いということは、本質的な問題ではないです。
それより何より、とにかく自分のアウトプット可能量を正確に知ることが大事です。
できるならば、平均的な筆記速度だけでなく限界筆記速度をも知っていたほうが良い。

もちろん、アウトプット量が少なすぎると要約筆記は難しいです。
要約筆記として情報保障が可能なアウトプット量はどのくらいでしょうか。
感覚的な数字ですが、漢字仮名混で50字/分を切ると、かなり厳しいです。
40を切ると、要約筆記としての体裁を保つことも難しくなってくる。
逆に、60字/分以上のラインであれば、それなりの要約筆記が成り立ちます。
パソコンの入力が遅いからPC要約筆記は無理だと仰る方は多いのですが、60字/分ぐらい打てるなら、少なくとも速度の面においては可能域だろうと思います。
その他の要素も関係してきますので、手書きでの60とPCでの60は決して同じではないのですが、一応量的には情報保障は成り立つ。
60字/分は、パソコン入力としては結構ゆっくりなので、今から始める方でも目指せる数字はないかと思います。

ではなぜ、アウトプット量を把握していないと要約筆記が出来ないか。
ここで要約筆記のメカニズムの話になってきます。


Last Update 2010-06-03 (木) 11:48:47

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