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要約筆記指導法1 書いているプロセスを見る

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要約筆記指導法1 書いているプロセスを見る

試みに、指導法と題して。
添削の考え方、段階別の指導ポイント、目的別トレーニング法などを書いてみます。

まずは、添削指導について。
筆記練習の後に筆記文を見直し添削・講評を加える場合、指導者側には以下のような要領が必要です。
  1.書いているプロセスを見る
  2.事前に自分でも書いてみる
  3.良い間違いと悪い間違いを区別する
以下に概説します。

1.書いているプロセスを見る
これは、一番重要なポイントかもしれません。
要約筆記においては、原話と要約筆記文だけで判断できることは限られています。
書いている時のタイムラグの具合、ラグに応じた判断の様子、迷いの箇所と時間の使い方等々、要約筆記独特の技術の多くが身についているかどうかは、筆記中の様子によって確認できます。
各自の思考パターン・癖などを見ることで、その改善あるいは逆にそれを活かす筆記スタイルへの誘導も可能になる。
慣れた指導者であれば、書き上がった要約筆記文を見ただけでも判ることは多いかもしれませんが、それでも、より効果的な指導をしようと思えば、筆記の最中こそ見るべきもの。
特に、対象が初級者であり、まだ要約筆記的な感覚を掴んでいない場合は尚更。
そもそも、書いている途中の様子を把握していなければ、書き上がった要約筆記文の個々の処理の妥当性について、指導者は確実な判断が出来ないでしょう。
(これについては後日もう少し詳しく)
書き終わったものだけを見て添削せざるを得ない場合は、筆記の様を予想しながら判断していくことになります。

最も理想的なのはビデオ撮影。
音と筆記とのフィット性、時間差に応じた筆記判断の方法などを説明しようと思えば、音付きの動画はどうしても欲しいところです。
見る人数が10人ぐらいまでであれば、大体のそれを覚えていて後から言うことも可能なのですが、それでも充分には見きれませんし、肝心の筆記者自身が筆記中の思考を覚えていないことが多いので。
動画撮影の方法は時間がかかる上、設備・予算などの問題もあって、なかなか実行できていませんが、これは絶対取り入れたほうがいい。
短い時間であっても、効果はあります。
音が入っていることが重要。

補足。
講習会などの場合で、対象者が10人以上になると、1人で見るのは厳しくなります。
よほどの部分は見逃さないとして、それ以外は、その都度チェックポイントを絞って見たほうがいいかもしれません。
筆記を同時に目に入れやすいような席の配置も考えたほうがいいです。
そして、指導者自身が何かを音読して筆記させるという方法は出来るだけ避けたほうがいい。
自分が読んでいては書いている様子を充分に見られないということもありますし、ちょっとした読み上げ方の違いが筆記に及ぼす影響を計算するのは難しいので。
手間でも、読み上げ文を一度録音して使ったほうが良いでしょう。


Last Update 2011-05-08 (日) 03:22:20

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