O.Yさんとふれあって
O.Yさんとふれあって
N.K
Yさんが住んでいる砺波市。隣の小矢部市住まいの私は、同じ砺波地区ブロックの聴覚障害者協会会員という縁もあり、会う機会が多くなりました。
今思えば、盲ろう者友の会や通訳・介助員派遣制度がなかった頃は当然、参加できない状態でした。現在では、知らせを受けると、待ってましたとばかり「参加したい、行きたい!」と返事が来ます。もちろん、喜んでいるのはYさんだけではありませんでした。
初めてお宅に伺った時の事でした。盲ろう者友の会や通訳・介助員派遣制度について説明しました。家族から「盲ろう者は、全国にYさん一人だけだと思い、どうしようもないとあきらめていました。本当に嬉しい。どうかよろしくお願いします」と、何度も何度もお礼を言われ、本当に心を打たれました。
ある日のこと。「お茶とても美味しいですね」と、手のひらに書きました。「このお茶は息子からのお土産です。美味しいでしょう」と、手書きと手話を交えて、嬉しそうに返ってきました。
「今夜のおかず何にする?毎日の献立を考えるって大変よね」「そうね。タケノコがあるから味噌煮にしようと思っている。あなたは?」お互いに笑いながら、主婦らしい会話が続きました。
この様子を見ていたお姑さんに「笑顔で話しているYさんを初めて見ました。本当に良かった。ありがとう」と手を合わせて言われました。私は、普通に話していただけでした。
家族にすごく喜ばれたのは、今まで盲ろう者に対する情報もなく、コミュニケーションなど不便なことが多かったからだと改めて思いました。
Yさんは、見えない、聞こえない以外は普通の主婦で、何でもこなせるお母さんです。でも、そのことで我慢してきたことも多かっただろうと、心が痛む思いでした。
皆様にも、Yさんとゆっくり話す機会を作っていただきたいと思っています。今後、拡大読書機を利用して筆談の練習も必要になります。いろいろな情報が伝わるように、交流を深めていきましょう。よろしくお願いします。
本文終了