盲ろう者とは目と耳両方に障害のある人のことをいいます。
富山盲ろう者友の会では、盲ろう者とその支援者の交流・支援活動を行っています。

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翻訳技術の分類

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【翻訳技術の分類】

翻訳技術の概要と技術例について紹介します。

●翻訳作業の概要

ここで言う「翻訳」とは、情報の形式の変換を指します。
代表的なのは、墨字から点字への変換である「点訳」。
そのほか色々なパターンがありますが、盲ろう者が利用できない形にある情報を、利用できる形に変換することで情報を保障するということで、アクセシビリティ向上の一環と言えます。
通常、「翻訳」という語は異言語間の仲介を意味しますが、元となる情報を異体系の形式に置換するという作業原理から、こうした情報保障手段を「翻訳」と分類しました。
保障対象となる情報は、書物をはじめとする紙媒体の資料が中心ですが、ラジオ、テレビなどの音声、映像も翻訳の対象です。
通訳作業の中には翻訳作業が含まれてくることもあり、盲ろうの情報保障において通訳と翻訳との線引きは必ずしも明確ではありませんが、基本的には、翻訳は書記言語・録画・録音など「原本」のあるものが対象となります。
また、リアルタイムの作業であるかどうかという点も、通訳と翻訳を区別する一つのポイントとなります。
通訳が同時通訳としての作業であるのに対して、翻訳の多くは即時性を求めません。
従って、例えばラジオの内容を情報保障する場合であれば、リアルタイムで情報提供する場合は通訳としての作業をし、後から資料として情報保障する場合には翻訳としての作業をすることになります。

現在、公共に提供されている翻訳サービスは、点訳と音訳です。
これらは、視覚障害者に向けた情報保障サービスですが、特に点訳は、盲ベースの盲ろう者がそのまま利用できるサービスです。
盲ろう者用に特化した翻訳サービスは今のところなく、点字ユーザー以外の盲ろう者にとっては、情報入手の困難に対処することが非常に難しいのが現状です。
ここで、点訳・音訳の他、盲ろう者向けの翻訳技術として使えるものを、一部実験中の技術も含めて紹介します。

●主な翻訳技術の分類

翻訳技術元データ表出データ
点訳墨字点字
音訳墨字音声
対面朗読墨字音声
テキスト化墨字テキストデータ
文字おこし音声点字、墨字
字幕音声墨字
テレビおこし音声・映像テキストデータ、墨字

表出データの形式は、代表的なものを挙げました。
利用者のニーズに応じ、更に変換した表出形も提供されます。

●実験中の翻訳技術

翻訳技術元データ表出データ
録音要約筆記音声点字、墨字、テキストデータ
遠隔地対面朗読墨字音声、テキストデータ

各技術の詳細については、7.翻訳技術 概説にて。


Last Update 2010-05-17 (月) 01:04:49

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