作業の流れ
テレビおこし作業の流れ
テレビおこし作業の大雑把な流れは2つあります。
1.音情報をおこしてから、視覚情報を入れていく
2.両方を同時におこしていく
両者は一長一短ですが、最終的には、どちらの手順でも作業は出来ます。
まずは1の方法を中心に、作業の流れを見ていきます。
音情報をおこす
まず、文字おこしの要領で音情報を全部作ります。細かい表記の工夫やレイアウトはあまり気にせず、とにかく文字化します。方法は各人のやりやすい形で進めていけば良いですが、処理の基準はあくまでも“情報保障”であり、その点で通常の文字おこしと区別する必要があります。(文字おこしは、人の言葉を文章化する目的で行う場合が多いが、情報保障のための文字おこしは、対象は人の言葉に限らず、また文章化を前提とした話し言葉の整理などは必ずしも要さない。詳しくは「文字おこし」の項で)
音情報が一通り出来上がったら、画面と照合しながら視覚情報を加えていきます。セオリーから言えば、画面に映る全てが保障の対象となる情報なのですが、それは際限が無いので、ある程度のラインで手を打ちます。
視覚情報を入れる
最低限入れるべき視覚情報の目安は以下です。
(1)場面(シーン)
(2)画面上に出てくる字幕・テロップ・板書・フリップ等の文字情報
(3)音情報だけでは意味判断ができない場合に対する視覚情報
(4)その画面を見た多くの人が当然に目にするであろう情報
もう少し補足して説明したいのですが、長くなるので後日。
校正
ともかく、こうして音情報・視覚情報を合わせたデータを作ったら、再度テレビを見直しながら校正します。
余力があれば、この過程でレイアウトや表記も直していきます。
ここでの主な校正のポイントは以下。
(1)音のおこし間違い
(2)表記の間違い
(3)視覚情報の過不足
(4)元のテレビとテレビおこしデータとのシンクロ性
1と2はテープおこしでも不可欠なチェックです。特に1は、仕事の丁寧さと直結する要素。聞き取りにくい音声でもない部分で助詞の間違いや語順の間違いがあるのはいただけません。適度なケバ取りは必要ですが、無意味に言葉を変えることはタブーです。(意味があるなら別)
言葉の違いに敏感でない人には向かない仕事だということもありますし、後々著作権法とも絡んでくることなので、これはちょっとしつこく言っておきます。
3と4はテレビおこしならではの要素。
作り手の感性が出る部分と言えるかもしれません。
テレビおこしデータを読んで受ける刺激と元のテレビを視聴して受ける刺激との比較によって、過不足やシンクロ性を調整していく感じです。
刺激というのはexcitingという意味あいではなく、純粋に「受信する作用」という感覚。
感覚的な説明になってしまって申し訳ないですが。
作業の流れはこんな感じです。
流れの2.は、最初の音情報・視覚情報のおこしを同時に進め、その後校正に入ります。
言い忘れましたが、どちらのケースでも定期的に時刻情報を入れておきます。
文字おこしの段階でも、そのあとの段階でも構いません。
全体の書き方、様式などは また次回。
Last Update 2010-06-03 (木) 12:43:20
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